SuperDeluxe


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Test Tone(キャル・ライアル)×SOUNDROOM(鈴木康文) interview

2009/01/18



SuperDeluxeで毎月のレギュラーイベントがあるのをご存知でしょうか? 一つは毎月第2火曜日、若手ミュージシャンから、業界注目のアーティストまで様々な人種が入り乱れ、現在の東京シーンを代表する旬なアーティスト達のステージを体感出来るフリーチャージイベントTest Tone。もうひとつはバラエティ豊かな出演者と毎回違ったテーマでお届けしているSOUNDROOM。今回のSuperDeluxeインタビューはこの2つのレギュラーイベントを開催する2人のオーガナイザー、Test Toneのキャル・ライアルさん、SOUNDROOMの鈴木康文さん両人にお話を伺いました。二人はそれぞれミュージシャン、レーベルオーナーとしても活躍中。現場、経営を含め、音楽シーンの真ん中で活動する2人による人の繋がりや、現場感溢れるブッキングアイデアもこの2つのイベントの共通の見所でもあります。すでにご存知だった方も、全く知らなかった方も是非ご覧下さい!新しいアーティスト、新鮮な体験にめぐり合うチャンスが二人の発言から見つけられるはずです。

SDLX: まずは、Test Toneとはどんなイベントですか?ぜひキャルさんの言葉でご紹介ください。

キャル: 最初のTest ToneはSuperDeluxeの前身の麻布十番デラックスで始めたんですよね。Pfeutiという僕がやっていたユニットがやったりしていて、デラックスで最初にやった音楽イベントだと思います。それで西麻布にSuperDeluxeが出来てからもラウンジイベントとして、入場料をフリーにして、実験的な内容のイベントを行いました。東京のライブハウスのノルマシステムは、即興や実験音楽のプレイヤーにはかなり厳しいものですよね?だから、もっとリラックスしてセッション出来るような場所が欲しくて相棒のピーターと一緒に始めましたね。そうして、僕らがセッションしたいミュージシャンに声をかけて一緒にやっているうちに輪もどんどん大きくなって行って、映像も入れたコラボレーション等もやりだしたんですよね。テストトーンのコンセプトの一つには即興音楽のシーンを大きくしたいと言うのがあります。僕が金額を無料に設定しているのは、やっぱりこの音楽を全然知らない人にも見てもらいたい、アーティストを紹介したいと考えているからなんです。東京のライブハウスはノルマシステムが厳しくて、お客さんも気軽に新しいイベントやアーティストのライブに踏み込むという事が難しいと思うんですよね。チャージで 3000円かかってしまうとどうしても、現場に足を運ぶ機会が限られてしまいますよね。ライブハウスに行くといつも同じ客層しかいないなと思うんです。バンドの友達だけだったり、パンクバンドのライブにはパンク好きのお客さんだし。だからTest Toneは限定的な客層ではなく、お客さんのミックスもできればと意識しています。そこでシーンがさらに広がってほしいですし。新しいアーティスト、新しいお客さん、その中から出てくるものに期待したいと考えています。

写真左、ギター奏者がキャル・ライアル


SDLX: では鈴木さん、SOUNDROOMをご紹介いただけますか?

鈴木: SOUNDROOMは元々アップリンクで始めた企画で、2回目までがアップリンクで開催しました。その後、大阪・新世界ブリッジでやったりしていて、5回目からSuperDeluxeで毎月レギュラー開催する事になり現在まで続いています。SOUNDROOMを開催するにあたって最初に意識していた事は、たとえば、あるミュージシャンがSOLOライブをするとして、そういうライブは他でも見れるので、イベントの共演者を一風変わった組合わせにする事を意識したり、他では見られないものにしたいと考えていましたね。キャルさんもそうだと思うんですが、僕は普通の人よりも好きな物の幅が広いんですよね。(笑) これも面白い、あれも面白いと感じてしまい、いざイベントとして並べたときにはつながりが見えないかもしれないです(笑)

SDLX: 多々ありますね!(笑)勿論、それが良さだと思うのですが。

鈴木: 後、SOUNDROOMでは毎月テーマを決めて開催しています。(「地平線の音楽」「Free?? Jazz??」等) 個人個人が自分の好きな音楽って今、検索すれば簡単にみつかると思うんですが、音楽の「こんなのもあるんだ!」という部分をイベントを通して表現出来れば良いかなともおもっています。

SOUNDROOM ロゴマーク

デザインは漫画家の西島大介によるもの

SDLX: ここでお二人の経歴を簡単にお尋ねしたいと思います。鈴木さんは昔お芝居されてたんですよね?

鈴木: パントマイムずっとやってたんですよ。ホントは役者になろうと思って東京に出てきたのですが、師匠になった先生に「鈴木君はセリフダメだね」って言われて、言葉を奪われ、、

一同: 爆笑

鈴木: でも、あるとき気づいたんですが、言葉の無いパフォーマンスは世界共通ですよね?

キャル: そう!僕の知ってるガマルジョバってパントマイマーの日本人2人組も英語はあまり話せないけど、海外でスゴく有名です。

鈴木: そう!それで、僕の師匠もよく、パントマイムでヨーロッパに呼ばれたりしていてたんですね。それについていっていて。
それで僕があっちでホームパーティの文化を体験して自分でもイベントを始めるようになったんですよね。

キャル: (パントマイムからのつながりで) サウンドルームはあんまりヴォーカルミュージックはないですよね。

鈴木: そうですね。ヴォーカルないと渋くなっちゃうんですけどね。。(笑) 音だけでわかるものもあるはず!とは思ってますね。

SDLX: コミューンディスクはどうやって始めたんですか?

鈴木: 音作ったり、パーティやったりしてるうちに自然と音楽作る人が集まっていて、レーベルみたいな形になりましたね。全部が偶然ですね(笑)

SDLX: キャルさんは出身はカナダですよね?

キャル: 僕はカナダのモントリオール出身です。日本にくる前は2年くらいバンクーバーに住んでいました。カナダでは日本やアメリカにくらべてエクストリームな音楽や映画が少ないと感じていました。カナダではその当時でもジョンゾーンのCDでヤマタカEYEさんの音源を聞いたりメルツバウの音楽を聞いたりしていて日本の情報は入って来ていましたよ。カナダにいる時は、ゆくゆくはニューヨークか日本に行こうと思っていました。98年くらいにジョンゾーンが高円寺に住んでいたし、日本には「なにか」ありそうに感じたんですよね。僕はその当時、クラシックの作曲やジャズ・パーフォーマンスを勉強をしていましたから、即興やノイズのようなエクストリームな音楽は衝撃的な物でしたね。もっと知りたくなりました。今は東京に来る事を選んでよかったと思っています。

SOUNDROOM vol.12 Toy Death (AU)
シリアスなものからユーモラスなパフォーマンスまで、SOUNDROOMの出演者は本当にバラエティ豊か。


SDLX: テストトーンは12月で40回目ですね!SOUNDROOMも27回目ですよね!、二人とも毎月のレギュラーイベントを長く続けているにあたって、印象に残っている回や、出演者はいらっしゃいますか?

キャル: 今まで色々やってきたから、一つをあげるのは、なかなかあげるのは難しいですね。勿論、出演してくれたアーティストはみんな面白いと思ってます。でもやはり、その中でテストトーンが目指してきた一つの到達点としてあげるとすれば、2005年8月9日のTest tone Vol.6ですね。大人数の舞踏のパフォーマンスを中心にして、ミュージシャンも大勢参加して、韓国からも偶然日本に来ているミュージシャンが参加してくれたりして。ダニエル・ローゼンの展示も会場いっぱいにあったんですよね。空間やパフォーマンスが一体になってあれは本当にスゴい内容でしたね。フインキも素晴らしく、ダンサーも客席から登場するような流れだったもので、お客さんとアーティストの垣根がない状態だったんですよね。それでローゼンのインスタレーションもその特異性を存分に発揮していて、ダンサーも上手に展示を生かしたパフォーマンスをしていたものだから、ホントに素晴らしい空間と時間が生まれていました。あの日は忘れられないですね。

鈴木: 僕も基本的には毎回自分がみたいものを組んでいるので、(印象に残っているのは) 全部なんですが、衝撃的なものをあげるとすれば、2009年の1月26日にも登場する緊縛と即興をテーマのユニットTokyo Kinbaku Orchestra (緊縛師 有末剛/音楽家 沢田穣治によるユニット)ですね。毎年1月に出演してもらっているプロの緊縛師の方が女の子をどんどん縛って行くというパフォーマンスなんですが、ミュージシャンも豪華で毎年、年明けの1月にやっているもので、あれは普通は1000円では見れないですよね。

SDLX: お二人が普段オーガナイザーとして感じるイベント開催の醍醐味であったり、面白いと思う部分はどんなところですか?

キャル: Test Toneは優秀なミュージシャンの方にも多数参加してもらってるのですが、一番面白いのはやっぱり尊敬しているアーティスト2人〜3人が初めての顔合わせに近いライブをする時ですね。どういうパフォーマンスになるのか? やってみないとわから無いじゃないですか? 僕もわくわくどきどきして見ています。

鈴木: それは僕もそうですね。

キャル: Test ToneやSOUNDROOMで初めて、セッションしてその後、グループで活動始める人たちもいますよね。

鈴木: The Super Stars(伊東篤宏(Optrum)+スターダスト(黒パイプ)+HIKO(GAUZE)もそうだよね。(現在はOFF SEASONという名前で活動中)
SDLX: それはSOUNDROOMで初めて組んだんですか?

鈴木: そうなんですよ。

キャル: そういう事があると、自分のアイデアは成功していたんだな!と確認できますよね。今、d.v.dで一緒にやってるイトケンさんとジマニカさんも、イトケンさんのバンドがたまたま出れなくなって、ライブのセッション相手にジマニカさん紹介したんですよね。これは厳密に言うとTest toneではなく、他で企画した時なのですが。

SDLX: それはまさにd.v.dの典型ですよね。色々生まれてますね〜。ジマニカさんよく、出演してくれてますよね。で、テストトーンのお客さんにもスゴいウケるし!

キャル: 2009年1月のTest Toneオールナイトにジマニカ×L?K?Oで出演してくれますよ!ジマニカさんは常に新しいプロジェクトを作っているんで、僕らとしても呼びやすいんですよね。常にフレッシュなので。

SDLX: 最近コラボレーションものというか、インプロのジャムセッションのライブで色々な楽器の組み合わせが増えていますよね? ギター×ベース×ドラム×管楽器のような古くからのオーソドックスなものから、CELLO DUO (Hugues Vincent and mori-shige), Ryu Konno(DJ) × 千葉広樹(コントラバス), , NIKKASEN(日加戦(日本×カナダ) (田畑満(g)、山本達久(dr)、Kelly Churko(g, electronics)、Cal Lyall(g, electronic)等、もうパート分けもままならいなような新しい組み合わまで、Test Toneとサウンドルームでは組まれていますが、今後こんな組み合わせを試してみたら面白いんじゃないのか?って組み合わせはありますか?

鈴木: 基本的には奇抜なパート(楽器)の組み合わせというよりはアーティスト同士の珍しい組み合わせの方が面白いですよね。

キャル: 僕もそう思いますね。後、最近、よく映像(またはダンス等)と音楽のコラボレーションをTest Toneで試みているのですが、本当の意味でのコラボレーションって難しいんですよね。特に映像は全然違うジャンルにはなかなか対応出来ないと感じるときがあります。映像の世界観が確立されている人が多いですから、アーティストとして世界観をしっかりもっているというのは勿論大切な事なんですが。 そんななかで、VJ onnacodomoは世界観も幅広くて、どんな映像でもだせるんですよね。どんな音楽にも世界観ごと柔軟に変化させて即興で音楽にあわせる事が出来る「映像の演奏」なんですよね!僕のミュージシャンとしての活動は即興に一番力を入れているという事もあって、なおさら彼らの即興で作り上げる事の出来る映像表現はすごいと感じています。

SDLX: おもしろい試みという事で、SuperDeluxe6周年week(2008年10月27日〜11月2日)の初日、SOUNDROOMはスペシャル企画の漫画を愛するパネラーたちが座談会形式でおしゃべりDJ&LIVEを披露する
MANGA☆YAWAを開催されていますが、漫画は鈴木さんの音楽活動に影響与えてますか?

鈴木: 漫画ってみんな影響されてると言えば影響されてますよね?

SDLX: 影響されてますね。

鈴木: 基本的に漫画は趣味の領域なんですが、コドモの頃はみんな読んでると思うんですよ。で、僕は大人になっても読んでいるのですが(笑)。。音楽以外でなにか探した時に漫画しかなかったので、MANGA☆YAWAを開催したんですよね。

SDLX: MANGA☆YAWA面白かったですよね!また2009年も引き続き開催予定らしいので、次回が楽しみです。

*SOUNDROOM MANGA☆YAWA.... 第一回は鈴木康文進行のもと、(写真左より) beermike、秘密博士、吉田アミ、中村賢治 (Eli/時代屋)、がそれぞれ思い入れのある漫画を会場スクリーンに映しながら解説、紹介した。また漫画古本の直売、漫画喫茶ばりの漫画試し読みも併せて開催。パネラーが自ら直売を行うなど、リラックスした空気の中、ユニークな空間となった。



SDLX: SOUNDROOMに朗読で出演してくださった小説家の古川日出夫さんのようにいわゆる本職がパフォーマーじゃない人がパフォーマンスする面白さってあると思うんですが、古川さんもスゴくうけていましたよね。だれか今後やったら面白いと思うアーティストはいますか?この人がこんなパフォーマンスをしたら面白いのでは?というアイデアでも良いのですが。

鈴木: 無理矢理やらせます?(笑) 無茶ぶりみたいに!

キャル: なかなかそういうのは難しいと思うのですが、、例えば2008年の11月11日のテストトーンで展示をしてくれた相川勝さんは面白いと思います。相川さんのような方もギャラリーを借りるとなると、東京のギャラリーは高いですから。相川さんのようなアーティストが無料で実験的な事を試す事が出来て、お客さんの反応もみれる自由な空間を作るという事はテストトーンのコンセプトの一つでもあるんですよね。僕のまわりはミュージシャンが多いので、毎月インスタレーションの人を誰か探すというのは難しいのですが。。

SDLX: 相川さんは2月にまたSuperDeluxeで展示してくれますよね!それも楽しみですね。

*相川勝 / My 25 cds  

photo by Stefan Riekles (相川勝HPより)
*相川勝 / My 25 cds 一見するとどこかのCDショップのようなCD群、視聴機、近づいてみると,,なんと!続きは2月のお楽しみ!今どうしても続きの知りたい方は相川勝HPまで。

SDLX: 本日はありがとうございました。最後に来年の展望をお聞かせ下さい。2009年のTest ToneとSOUNDROOMはどんな内容になりそうですか? ではまずキャルさんからお願いします。テストトーンは2009年 1/9 ALL Nightイベントでスタートですよね?

キャル: 今回はパンクとノイズ、がテーマになりそうです!L?K?Oとジマニカ等は出演が決まっていますよ!2月は相川勝さんの展示に合わせてイベントを考えています。そんなに先まで決まっていないんですよね (笑

鈴木: 毎月だと宣伝が大変ですよね。でも、40回もやってるとTest Toneは(宣伝しなくてもお客さんが来るくらい)定着したんじゃないですか?

キャル: だと良いのですが、毎回宣伝頑張ってますから!定着したと思って気を緩めるのは怖いですね (笑) 毎回フライヤ−も制作してますし。でも僕は最初にイベントを開催する時に思ったのですが、この即興音楽シーンは優秀なミュージシャンでも、プロフィールテキストやオンラインリソース等があまり無い場合が多いですよね。英語に限っては全然ないですよね。テストトーンへの出演を通してそういうものも僕なりに充実させていきたいとも考えています。(Test Toneの出演ミュージシャンのprofile日本語/英語テキストはキャル・ライアル制作のもの。簡潔で明瞭なテキストは出演ミュージシャンにも好評。)

鈴木: SOUNDROOMをより知ってもらう為に定着したライブと即興演奏を組みあわせたイベントにして行きたいなとは漠然とですが考えていますね。なによりTest Toneもそうなんですが、お客さんの中に定着させたいですよね。第2火曜はTest Tone、第4月曜はSOUNDROOMって。

Cal: そうですね。コミューンディスクも2009年で10周年ですね!

鈴木: そうなんですよね!なにげに10周年です!だから、2009年は10周年記念イベントもなにかSuperDeluxeで出来たら良いなと思っています。

さて、いかがでしたか? 毎月開催されている平日夜のLiveイベント!両方とも毎月毎月、フレッシュなメンバーや人気のミュージシャンまで、バラエティ豊かなメンバーでとても充実した内容を届けてくれています。Test Toneはドリンクオーダーのみ!SOUNDROOMは千円のみでイベント開始から終電前まで、新しい音楽、映像、パフォーマンスを揃えてお送りしています!こんなにお得なイベントなんですから、是非、会社帰りに、一杯飲むつもりで、同僚とでも一人だけでも、遊びにいらして下さい!
なお、次回のSOUNDROOMは12/15(月) SOUNDROOM vol.27忘年会, 2009年一回目はTokyo Kinbaku Orchestraでスタートです!Test Toneの2009年、 豪華出演者でお届けする1/9(金) Test Tone ALL NIGHT公演もどうぞお見逃しなく!
(interview & text by SuperDeluxe昆野立)



キャルライアル 関連LINK
Test Tone HP
Subvalent Records HP
鈴木康文 関連LINK
SOUNDROOM
Commune disc myspace



2008 12/7 up



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2018年04月26日 (木)

ブロッツマン/リー BRÖTZMANN / LEIGH Japan Tour 2018

開場 19:30 / 開演 20:00

チケット 予約3000円 / 当日3500 (ドリンク別)

【出演】■ ペーター・ブロッツマン(サックス)+ ヘザー・リー(ペダルスチールギター)デュオ