SuperDeluxe


こんにちは。

ニュース一覧に戻る

AFTERWARDS interview

2009/01/23



昨年、SuperDeluxeにて開催され、大好評を博したイベント「AFTERWARDS」来る 1/23(金)その第2回目が開催されます。見所はなんと言っても、鈴木昭男 × ジム・オルークのまったく予測のつかないライブ。その他にもASUNA × Chihei Hatakeyama, Soundworm × 大城真と目の話せないイベントとなっています。今回のSDLX interviewシリーズはイベント「AFTERWARDS」を主催する畠山地平、大城真の2人のミュージシャンに鈴木昭男 × ジム・オルークライブの見所、お二人の音楽経歴等色々とお話を伺いました。出演者それぞれにスポットを当てて、紹介しています。まったく知らなかった人にも分かり易くなっていると思います。是非ともAFTERWARDS interviewをご覧下さい。



SDLX: AFTERWARDSはどんなコンセプトを持っているイベントなんですか?



畠山: 言葉の意味を直訳すると「それから」という意味です。このイベントを始める前に大城さんや、他の友人と呑みながらイベント名を考えていたのですけど、なかなかいい言葉が出てこなくて、そこでその友人がたまたま、夏目漱石の『それから』を読んでいて、オーそれいいじゃんって感じで決めたんです。もちろん「それから」にも色々意味を込めていて、例えば音楽ならば、「音響」と呼ばれているものの「それから」と言う意味とかね。
大城: あとは、さらに突っ込んで考えると音楽っていう括り自体が危うくなって来ていると感じる時があって、 音楽という概念にむけて「それから」の問いかけをしたいというのもあります。それからどうなるの?って。
畠山: コンセプトからは少し外れるかもしれないですけど、最近は批評家の人とかが、「今、音響はつまらない」というような話をしますよね、たしかにそういう閉塞感は僕自身感じるんですよ。ただ現場でやっている僕らとしては全然つまらなくないんですよね。そこで、作り手が感じていることや、聞いていることがリスナーや批評家とずれてきているのかなぁというふうに感じることもあって、そこの部分を模索するようなイベントにしたいって考えもあります。それと、今の学生や次の世代のようなこれから音楽を聴くような人たちにわかりやすくとっつきやすい部分を提示していきたいとも考えていますね。



SDLX: 第一回目を振り返るとまさにそういう形のイベントでしたよね。d.v.dも映像と音楽によって、ライブ音楽と映像の在り方を2000年代式に再定義しているようなバンドだし、山川さんも自分の身体を使って「音楽」とか、「パフォーマンス」というものに収まらない活動を展開していますしね。



大城: もう、山川さんもd.v.dもどこまでが「音楽」って呼べるものかわからないじゃないですか? AFTERWARDS(アフタワーズ) では、その境界をつっつきたいのいうのはありますね。
畠山: ただのメディアミックスだけでは無いような形でやって行きたいですね。
SDLX: 確かにただ映像と音楽のコラボレーションとかって、出て来たばかりの頃はすごくエキサイティングな表現に感じたけど、今は面白いもののほうが少ない気がしますよね。
畠山: 例えば、山川さんなんですが、山川さんはメディアミックスでは無いんですよ。ライブでは自身の体内の音を使って表現していくのですが、ライブが進むうちに山川さん自身の音であるはずなのに、音が山川さんから分離していくんですね、その異化作用がすさまじく、ホラー映画のような緊張感を感じます。
個人としてしっかりしているし、今は世の中全体のテーマとしても個人がどうあるか? っていう事が重要な気がするんですよね。ジャンルが崩壊した後に残るのは個人の個性やキャラクターだと思うんですよね。
大城: 山川さんは心臓の鼓動の音を鳴らしたり、骨を伝わる音を鳴らしたり、自分の身体の拡張を真ん中に持って来て表現しているというのがおもろいところだと思いますね。結構ユーモラスな部分もあったりするし。



SDLX: では、ここでAFTERWARDを主催する二人のミュージシャンの経歴をお尋ねしたいと思うのですが、まず畠山さんからうかがいたいと思います。畠山さんの現在の音楽のスタイルは*ドローンを主体としたアンビエントサウンドを確立している感がありますが、音楽はバンド活動から、初めているんですよね?



畠山: メタルやハードコアから出発してます。それで、大学生の時にクラブカルチャーの影響でジャーマンロックのバンド、アシュラ・テンペルの『New age of earth』を聞いて、アンビエントに目覚めました。ただ最近はノイズ的なアプローチも増えていますね。お客さんが少ない時とかはノイズの演奏もこっそりしています(笑)ノイジーにやりたい思考もあるんですよね。しかし住宅環境の影響もあって家ではあんまりノイズを聞けない状況なんですね。そういった事もあり、リリースしているCDはすべてアンビエントよりなものなんですよね。
SDLX: 畠山さんの音楽はやはりドローン中心のノンビートのアンビエントサウンドという印象が強いのですが、ライブだと、ノイズ演奏のような音楽傾向のアプローチも今後はお客さんがしっかり入っているような場合でも、披露して行きたいと考えているのでしょうか?
畠山: ライブだと、多少そういうアプローチも見せていきたいですね。今のような(ドローンを主体としたサウンド)音楽の傾向になったのは2000年くらいにラップトップ大ブームだった時に、エレクトロニカ全般は、リズムが入っている音楽が普通だったんですね。クラブ系から分離しきっていない状態で。ラップトップミュージックを始めた頃、最初は僕もリズムを出していて、その後、オヴァルとかクリストフ・シャルル氏のノンビートの音楽に触れたりして漠然とリズム抜いてみようかな?って思い出して、実際試してみたときにすごく良い感触があったんですよね。リズムはどうしても小節や譜割に依存してしまう所があると思うんです。リズムを抜く事で自由になれるというのはあると思います。それが (リズムを抜く事が) すごく自分のやりたかった事にすんなり嵌って、それ以来ノンビートの音楽を続けていますね。それで、2003年くらいからクリストファー・ウィルリッツや、12K周辺のアーティスト等、エレクトロニカでもリズムの無いエレクトロニカが出てき始めてこういう音楽が自然と認知されていったという傾向があると思います。ただ今ではエレクトロニカという言葉はあまり使われていないですね。時代の流れが速すぎるのと、情報量が飽和状態なのでジャンルを特定する言葉が意味をもてなくなってしまっているという状況でしょうか。



SDLX: 畠山さんは2006年にソロアルバム、2007年opitopeのアルバムをリリースされていますよね。ソロアルバムは*KRANKYから発売になっていますが、KRANKYにはデモテープを送ったんですか?



畠山: デモCDを送りました。その時には今の自分のスタイル(ドローン主体の音楽という)はかなり固まっていましたね。 2005年くらいです。それを一枚にまとめたものが、KRANKYからリリースした「Minima Moralia」ですね。今後もしばらくは現在の路線を継続していくつもりです。



SDLX: 畠山さんはソロ活動以外に伊達さんとのユニット「opitope」の活動でもアルバムをリリースされていますよね。opitopeとソロ活動だと畠山さんの中で活動はわけて考えていますか?
畠山: 分けていた時期もあるんですが、今はあんまり気にしていないですね。ただ一人ではなく二人で制作しているので、いい意味でopitopeの音世界がソロの場合より広い感じがしますね。



SDLX: 拝見していて、畠山さんのライブ活動って、セッションが多いと思うんですよね。セッションの醍醐味ってどんな所ですか?



畠山: セッションは心理ゲームのような所が楽しいですね。僕がこういう音をだした時にどんな反応するんだろうとか?どれくらいこの人は自己主張するんだろう? とか誘ってみたりしていますね。どちらかというと、インプロ系というよりはジャズ的なやりとりかも知れないですね。コール&レスポンスではないんですが、随時反応をみながらやってますね。
心理ゲームという事をうけて以下のたとえをすると、ただのサッカー好きだろ!っていわれがちなんですが(笑)、、最初に僕がセッション始めたのが「kuala mute geeks」というイベントで、「kuala mute geeks」ではopitopeは常にホームなんですよ。それで、出演するゲストはみんなアウェイなんですよね。なので、だんだんopitopeのゲームに嵌っていくんですね。(笑)  最後にゲストを交えてセッションしたりする時も、ゲストは2人呼んでいたとしても他人同士じゃないですか? opitopeは2人なのでゲストが(僕らの音楽に)歩み寄ってくれるというのはすごくありましたね。気を使ってもらって申し訳ないなとも毎回感じるのですが(笑) 。。今度、opitopeのセッションを収録した「colony of kualauk」というアルバムをリリース予定なのですが、それはSuperDeluxeで開催したライブのものも入って、色々なミュージシャンとセッションしているセッションアルバムなのですが、なんだかopitopeのアルバムみたいになっています。



*ドローン(英:drone): wikipedia



ドローン (英:drone) とは、音楽で単音の変化の無い長い音のことだが、完全五度などの複音の場合もある。ドローンは民族音楽でよく使われる。いわゆるバグパイプの低音がそれに当る。現代音楽にもこれからヒントをえて良く使われ、ラモンテ・ヤングの音楽はドローンそのものであり、それだけで数時間かかる物もある。いずれにせよ瞑想曲に近い効果を発揮し音楽的な流れが良くなり、その周波数を拡大した形のリズムがミニマル音楽の元になっている。類似するものにクラシック音楽に保続音(オルゲルプンクト)があるが、これは機能和声や対位法のカデンツ操作の中に組み込まれているという違いがあり、長さもそんなに長くはない。インドの伝統音楽においては、完全五度のドローンは欠かせないものとなっている。タンブーラはそのための専用の楽器である。




Chihei Hatakeyama



SDLX: では続いて大城さんにお話伺いたいと思います。



大城: 僕は大阪芸大の音楽工学コースに通っていたんですね。僕も最初は打ち込みで音楽を作ったりしていたのですが、当時、神戸の芦屋市立美術館で小杉武久さんなどがやっていたライブをみたり、僕のまわりで60, 70年代の*フルクサスなんかに詳しい友達なんかにも影響うけたり、当時のライブエレクトロニクスにも興味を持ったりしたのがきっかけでしたね。大学の講師にアフターディナーという関西のバンドのメンバーでもあった宇都宮泰さんがいたのも大きかったです。始めてからは既存のものでは無く、自分で回路等も制作しだしたりしていました。当時の環境の影響が結構ありますね。僕の世代がたまたまそういう人たちが多い世代でもあったんですが。(笑
大学時代に僕の居たコースは、昔NHKの電子音楽スタジオに在籍していた塩谷宏さんという方が中心になって作ったコースで、日本で2番目くらいに古い電子音楽スタジオがあるんですね。現在はだいぶ違うものになっているようですが、元々の風潮として塩谷宏さんの流れが強いコースなんですよね。



SDLX: 元々前衛的な音楽を扱っている科なんですね。



大城: そうですね。実際入ってみると音楽をガッチリやるぞ!ってタイプとなんとなく入ってる人たちと2つにわかれていて、現代音楽はさっぱりなんて人もかなりいましたけどね。同期にオシリペンペンズの迎君や中林君なんかもいますよ。僕は高校時代からバンドをやったりしていましたが、その頃楽曲制作などの段階で割と僕が主導権をもつ事が多かったので、ちょっとバンドの活動中に刺激やインプットを感じられなくなっていて、その後は一人でやっていたんですね。一人で作る方法を模索して行くなかで、大阪芸大の音楽工学コースに出会ったんです。



SDLX: 今はアナロジックにも参加していますよね?



大城: 僕はもともと、ビデオカメラを使ったライブをやっていて、ビデオカメラから出力される映像信号を自分の回路を使って音に変換するシステムを使っています。アナロジックは元々、ビデオミキサーとオーディオミキサーのフィードバックをメインシステムとして使用していたのですが、僕のシステムととても相性が良かったんですよね。最初は加入しないで何度か一緒にライブを行っていたのですが、そのうち面白いから一緒に活動しようよという事になりましたね。



SDLX: 大城さんはお話をうかがう限り、色々と自作楽器を制作なさっているようですが、メインで使用している楽器はどんなものなんですか?



大城: 最近よくライブでやっているシステムは、ビデオカメラ(アナロジックでも使用している)でやっているシステムと、「ウネリオン」というフィードバック楽器のシステムがあります。ウネリオンは鉄板にピエゾマイクっていう固体振動を拾う特殊なマイクを取り付けて鉄板に伝わる音を拾って、アンプを通して共鳴箱を震わせて、鉄板もその共鳴箱に貼付けて、フィードバックを生成するという楽器です。この2つを最近はよく使用していますね。



*フルクサス(Fluxus) は、リトアニア系アメリカ人のジョージ・マチューナスが主唱した前衛芸術運動、またその組織名である。ラテン語で「流れる、変化する、下剤をかける」という意味を持つ。1960年代を代表する芸術運動として、ネオダダ、ポップアートなどがある。




大城真



SDLX: なるほど!ではこの後はいよいよ1/23(金)に迫った AFTERWARS Vol 2についてお聞きしたいのですが、まず大きな特徴として、
今回は3本予定されているライブすべてがDUO形式のライブですよね。ここにはどんな狙いがあるんですか?



畠山: AFTERWARSの前回が「メディアと身体」がテーマだったので、今回は企画の段階からまた違う角度で、音に特化した方向を考えてみたんですね。それで、この人たちが一緒にやったらどうなるんだろう?と、あまり一緒にやらない人たちが一緒にやった時に生まれる特殊な場みたいなものをクローズアップしていきたいなと思いましたね。



SDLX: 今回のDUOライブのお相手をお二人から紹介してください。まず畠山さん、共演者のASUNAさんをご紹介いただけますか?



畠山: ASUNAさんは現在は多岐に渡った活動をしていますが最初はオルガンを改造してドローンを出していて、それで、スペインのレーベル等からもCDを出しています。僕がASUNAさんを初めて知ったのが、2001年とか2002年頃なんですが、雑誌等にも良く出ていて、そのころから僕も注目していました。
SDLX: ある意味ドローン対決ですね?(笑
畠山: そうですね。だからもちろん見所はドローンではあるのですが、二人ともドローンをメインとしているので、僕は僕なりにエレガンスなアプローチでちょっとこう、ちがうスタイルをみせられたらなと思っています。
SDLX: 畠山さんがもくろんでいるわけですね?(笑
畠山: はい。ドローンって実はすごく歴史の長いものなんですね。なので、色々な種類やアプローチがあるんです。ただドローンと、長くのばすだけのものじゃ無くて、そこに一工夫加えて表現出来れば良いなと考えていますね。




ASUNA



SDLX: では大城さん、soundwormさんをご紹介いただけますか?



大城: 庄司さん(soundworm)は録音〜マスタリングエンジニアのお仕事もされつつ、色々なバンド等にも参加されている方なんですね。僕はあまりのバンドの活動は存じ上げていなくて、ソロライブや展示を拝見していました。最近、録音技術が発展する過程において、デジタルが主流になってきていますよね? 庄司さんの面白いところは、そのようにデジタルが台頭するなかで、切り捨てられて来たアナログの技術(テレコであったり、アナログシンセであったり)に注目されていて、例えば、テレコだけでライブをやったりするような活動をされているんですよね。僕とは少しアプローチが違うのですが、僕も自分が作る自作楽器であったりパフォーマンスで使用する機器はアナログの要素が強いものなのですごく共感していますね。ライブはアナログ同士で相互干渉を起こしながら出来れば良いなと考えています。ライブの組み合わせとしても初顔合わせになるので、とても楽しみですね。




soundworm



SDLX: 楽しみですね!では今回のAFTERWARS Vol 2の最大の見所でもある鈴木昭男 × ジム・オルークについて伺いたいと思いますが、まず鈴木昭男さんとはどんなアーティストなんですか?大変お恥ずかしいのんですが、僕は存じ上げていなかったんですよね。是非僕にもわかるような言葉で説明していただきたいですね!




鈴木昭男



大城: 鈴木昭男さんは一般的にはサウンド・アートの第一人者として知られていて、国際的な活動を行っている人です(本人はサウンドアーティストと言われる事があまり好きではないようですが)。60年代の後半、昭男さんが活動を始めるた頃は、「自修イベント」というイベントをお客さんもいないような所でやっていたようです。例えば、山に行って声を発して帰ってくるエコーを楽しんだりするというような遊びとか。
SDLX: それって、「やまびこ」ですよね。それを自修イベントという名目で?
大城: そうなんですよ。完全に一人でやっていて。よくプロフィールに出てくるのが、昭男さんは元々は建築の設計事務所で働いていた方なんですよね。その設計事務所時代、階段を設計する時に、「バランス良く設計された階段に物を投げると心地よいリズムが帰ってくるのではないか」という昭男さんの思いつきがあって、昭男さんが最初にやったパフォーマンスというのが、バケツの中にガラクタをを詰め込んで、階段にぶちまけるという事をされたんです。あんまり上手く行かなかったみたいなんですが、そういう事を起点にして「自修イベント」をやるようになったみたいです。
 その後、たしか70年代にアナロポスという自作楽器を制作されたのですが、どういうものかと言うと、両側にブリキで作った管がついていて、その両側の管はバネでつながっています。形は糸電話のようなものですね。管に声を通すと、エコーがかかったような効果が生まれるのですが、向こうにある管まで行くと、声が又戻ってくるんですね。バネがリバーブの効果を持っています。エコー楽器と考えてもらえばわかりやすいと思います。そのエコー楽器を使ったパフォーマンスを初めて、その後、色々と自分の楽器を制作するようになっていったようです。自作楽器の世界では本当にパイオニア的な人だと思います。
 他にも美術的な活動もすごく沢山行われていて、代表的なものに「日向ぼっこの空間」というものがあって、昭男さんが今住んでらっしゃる京都の丹後にある、とある丘の上に自作の日干し煉瓦を積み重ねて垂直の壁を2枚作ったんですね。その垂直の壁の内側に入って音を鳴らすと、フラッターエコーという現象が起こるんですよ。
SDLX: どういう現象なんですか?
大城: 鳴竜って現象しってます? 短いエコーが「ピョーン」って繋がる現象なんですが。ひなたぼっこの空間で手を叩くと短い残響音でパッ、パッ、パッ、パッ (早口に後半につれ小音に) って音がつづくような現象なんですよね。それでそこの壁で、一日、自然の音に耳を澄ますという趣旨のイベントを確か、80年代の後半にされていたと思います。そういうようなサウンドアート的な活動でも先駆者として見られてるような方なんですよね。世代的にも小杉武久さんなどとも活動を共にされていた時期もありますね。
畠山: (鈴木昭男さんの活動の理由には) 時代背景もあると思うんですね。70年代前半はフルクサスのメンバーもそういう活動を行っていたり、前衛運動というものが世界的に行われていたんですね。昭男さん自体がフルクサスに傾倒していたわけでは無いのですが、同時代的にフルクサスのメンバーが後ろ向きながら、海に入って行くとか、そういった運動が行われていた時代だったという理解の仕方もあると思います。でも、フルクサスの人たちは意外と一貫性がなかったのですが、昭男さんの活動は70年代から 80年代へと一貫したサウンドアートの世界を築いて来ていると思うんですよね。
SDLX: では、鈴木昭男×ジム・オルークどんな所が、見所になりそうですか?
大城: ジムさんにはアコースティックなセットでやるのはどうかという風に提案しているんですが、実際の所はまったく予想がつかないですね(笑) 。
畠山: 昭男さんのすごいところはよくミュージシャンは年齢を重ねて培った経験や人柄が音に出るといったような言われかたをするじゃないですか? それが本当に半端ない次元で出ているんですよ!どんなミュージシャンでも年齢を重ねて最後はフレーズに人生を重ねるというか、フレーズの哀愁感や、情緒感に経験や人柄が混ざってしまうものだと思うのですが、昭男さんが出す音というのは、もっとすごくプリミティブなものなんですよね。シンプルな自作楽器で本当に美しい音をきかせてくれたりして、音を聞くと、昭男さんをすごくつかみやすいと思います。そんな昭男さんがジムさんと(一緒に)やったときにどうなるか? っていうのが、本当に見所ですね。
ジムさんと昭男さんは両人とも、才能に溢れた天才だとおもうのですが、ジムさんは音楽家としてマルチな才能を持った天才。昭男さんは、自分の道を行っている天才。ふたりのタイプの違う天才がどういうぶつかりあいをするのかとても楽しみですね。



*鳴竜
手をたたくと、多重反響現象による共鳴が起こる



SDLX: ジム・オルークさんはもうすでに説明不要な所もあると思うので、、お二人から好きなアルバムを一枚ずつご紹介いただけますか?



大城: ぼくはバット・タイミングですね。ユリイカの一コ前のものです。
畠山: 僕はTZADIKから出ているアルバムで、 TERMINAL PHARMACYというアルバムですね!これはメチャメチャ良いですよ!ドローンなんですが、例によって (笑)。。。




ジム・オルーク



SDLX: チェックしてみたい所ですね〜、AFTERWARDS Vol 2、本当に楽しみですね。では最後にお二人のミュージシャンとしての今年の活動の展望等を教えていただけますか?



畠山: この1年、2年は自宅に籠ってソロや様々な人とのコラボレーションやユニットもの音源作りに精を出してきましたが、活動を広げすぎてしまったのか、音源がたまってしまっている状況です。あともう少しで完成というアルバムばかりなんです。なので来年はそれらを1枚、1枚まとめていき、その後にまた次の展開を考えたいですね。



大城: 僕は自分自身、即興演奏という事にあまりこだわりが無く、ライブは自作楽器の特性を引き出すためにやっているという節もあるんですね。今は普通に作曲したものや、ライブでやっていないようなものも溜め込んでいるので、今年はそういったものも出して行きたいですね。去年は展示をやる機会もちょこちょこありましたが、今年はそっちも広げていきたいですね。



SDLX: 1/23日(金)に第2回目を開催して、AFTERWARDSはその後の展開はなにかお考えですか?



大城: もうしばらくは今の形態で、将来的にはフェスに発展させたいですね!
SDLX: 実現すれば、かなり新しい内容のフェスになりそうですね!楽しみです!今日はありがとうございました。



いかがでしたか?二人の独創的で魅力的なアプローチを魅せる音楽、知らなかった方は是非とも現場で体感してみてください。勿論知っていた方も今回のコンセプトであるDUOライブでまったく新しい音楽に出会えるはず!そして、第二回目のAFTERWARDSの目玉の一つ鈴木昭男×ジム・オルークは畠山氏いわく「ふたりの天才」の数少ない貴重なライブとなること間違いないはずです!1/23(金) AFTERWARD Vol 2未知の体験を是非とも会場で!
(interview & text by SuperDeluxe昆野立)



Artist Profile:
畠山地平
1978年生まれ。ソロ活動と電子音楽ユニットopitopeで活動。バンドから音楽活動をスタートし、初期にはメタルや、ハードコアのバンドでギターを担当していました。その後、ジャーマンロックや現代音楽等に触れたことから、即興バンドを結成します。バンド解散後はやサンプラー等を使用したミニマルアンビエント作品をテープMTRで制作しました。その後MACを導入し、現在のような音作りを始めました。Opitopeの活動と平行しながら、ソロとしても活動を続け、2006年にKRANKYよりファーストアルバムをリリース。世界中からその何重にもプロセッシングされた音が構築する美しい音世界が評価されました。その年の暮れには アメリカのBellingham Electronic Arts Festivalに招待され、Prefuse 73, Barry Truax, Greg Davis, Sebastien Roux等と共演しました。現在は映画音楽や、舞台に楽曲を提供するなど、活動の場を広げています。



大城真
1978年、沖縄県生まれ。東京を拠点としてビデオカメラ、CDプレイヤー等の電子機器から鉄板まで様々な素材もとに制作した演奏・作曲のための楽器や道具を使ったライブパフォーママンス、またそれと平行して音/物体の振動と光の干渉に焦点をあてたインスタレーション作品の制作等を行っている。現在は坂本拓也、中村修とのaudio/visualユニットanalogic、そして虹釜太郎、土川藍との1080°でも活動中。



次のイベント

2018年09月26日 (水)

ジャイロキネシス レッスン

開場 11:50 / 開演 12:00

チケット 2000円

ご予約は下記の「ジャイロレッスンメール予約」を使いください。
トレーナー:クベック雅子 | レッスン 12:00〜13:30