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V.I.I.M project ROKAPENIS interview

2009/07/06



7/20日(月・祝)7/21日(火)に開催されるV.I.I.M project。VJとしてBABY-Q、ROMZ、その他 数多くのイベント、または映像制作においてその幅広い世界観と実力を発揮する気鋭のアーティスト斉藤洋平(rokapenis)の呼びかけによって産声をあげたこのイベント。記念すべき第一回目は「ダンスと映像」をコンセプトに、世界的をまたにかけた活動を展開するダンスカンパニーNibrollの映像作家「高橋啓祐」 との共同開催。なお、V.I.I.M projectは今後もダンス、音楽の境界を軽々と越えてみせる魅力的な内容の公演を企画中との事。今回のSDLXインタビューでは斉藤洋平さんにV.I.I.M project、VJ/映像作家としての自身の活動について、その良き理解者でもあるアート倉持さんにもご同席の上お話を伺いました。



映像/Nibroll 高橋啓祐



SDLX: 今回のV.I.I.M projectはVol 1として、シリーズとしての展開を視野に入れているようですがどんなコンセプトで始まったものですか?



RKP斉藤: 僕はずっと音楽の人やダンスの人と一緒に活動を続けて来たのですが、その時々で表現の「主体」は音楽やダンスにあったんですよね。その結果、「映像」を主体として発信する場を作って行きたいと考えました。僕はただ単に映画の上映会をしたいと言う事では無く、今までダンスや音楽と一緒に活動してきたキャリアの延長線上で、「映像」を主体として何かを発信したいと思ってるんですね。そろそろ自分でも「場」を作っていきたいなと。



SDLX: 第一回目の今回は先鋭的な演出とダンスで人気のカンパニーNibrollの映像担当の高橋啓祐さんも新作「ネコロール」を発表されますよね。 V.I.I.M projectのお話は斉藤さんからされたそうですが、なぜ、今回Nibrollの高橋啓祐さんを誘われたんですか?



RKP斉藤: Nibrollはカンパニーの中に映像が含まれているところと、キャリアとしても長い期間しっかり活動していてBABY-Qと活動が近いところにあったんですね。最近はダンスに映像を使用するという形態も増えて来てはいますが、高橋啓祐さんは昔からしっかり作家として活動していてスタンスは僕と同じなんですよね。ダンスと映像という。それがまず第一ですね。



映像/高橋啓祐



SDLX: 映像を使用しているという共通点はあるものの、方向性というかコンセプトも歩んで来た道も正反対に見える2組ですよね?



RKP斉藤: そうですね。Nibrollと違う点であげられるのが、BABY-Qの場合はダンサーの集めかたにしても、クラブで出会った人々だったり、ダンス経験者ではない人たちを意識的に集めたりしていますからね。



アート倉持: それは東野祥子さんも「うまい人よりもおもしろい人を選んでいる」とはっきりと言っていましたね。



RKP斉藤: でも、今回そういう二組が一緒にやる事になってそれぞれから出て来た公演タイトルが偶然なんですが、「TIGER TIGER」と「ネコロール」なんですよね。



SDLX: ネコ科つながりですね(笑)、偶然なんですか。



アート倉持: ウィリアム・ブレイクとウイリアム・バロウズというウィリアムつながりでもある。



RKP斉藤: どこかから引用するというアイデアも事前に示し合わせた訳ではないですから。。本当に偶然です。



SDLX: それもすごいですね。ここまで近いともう運命的としか言いようが無い。(笑)すでにミラクル一個起きてますね!



RKP斉藤: 高橋さんも普段Nibrollの映像担当という役回りをされているのですが、個人のアーティストとしてインスタレーション等の活動なども精力的にされてる方なので、こういう場(映像が主体となり発信するイベント)が欲しかったと思うんですよね。お話した時にも一発で「やろうよ」という話になりましたね。



Nibroll 2008 / 映像: 高橋啓祐



SDLX: ここからは少し、斉藤洋平さんのVJとしてのキャリアのルーツをお話いただければと思っているのですが、映像を始めたきっかけを教えていただけますか?



RKP斉藤: 僕は、大阪芸大の映画学科出身で、その時から映像を学んでいました。両親が転勤を繰り返しているような家庭だったもので元々は大阪の人間では無いのですが。その頃、ちょうどボアダムズを始めとするような大阪のアンダーグラウンドカルチャーがすごい盛り上がってた頃なんですよね。



アート倉持: 斉藤君と僕は同年代なのですが、大阪では音楽を中心にアンダーグラウンドカルチャーがすごく面白かった時期があって、僕たちは間違いなくその影響を受けていると思う。そこからいくらでも掘り様があるというか、例えば80年代の事などはその時期を起点として掘り下げていくことで色々勉強できましたよね。



RKP斉藤: 時期としては90年代半ばですね。難波にベアーズっていうライブハウスがあって、そこにすごく面白いバンドが色々と出演していた時期なんです。もう80人入ったらぎゅうぎゅうになってしまうようなハコなのですが。僕は映像の学校に入ったのですが、気がつくとまわりはバンドマンばっかりという様な環境でしたね。VJは、そうこうしているうちに宇川直宏さんがボアダムズのライブでVJやったりしているのを見て、僕らもやろうかという気になり始めましたね。3人で始めたのですが、メンバーは現在のBETALANDのHIRAと、柴田剛という映画監督でした。HIRAはまだベータランド始める前でしたから。



アート倉持: それは味園以前の話ですよね?



RKP斉藤: 全然前ですよね。その後HIRAは僕らと別れてBETALAND初めて、僕は柴田剛と一緒に映画作ったりしていました。ケンカ別れしたんですけどね(笑) その後、関西の維新派から独立したプリティ・ヘイト・マシーンという劇団があってそこで映像もやり始めたんですね。「舞台と映像」という形に関わり始めたのはそこが最初で。これはかなりガッチリやっていました。それでその時プリティ・ヘイト・マシーンに居たのが現在のBABY-Qの東野祥子さんですね。最初、僕らはどちらかと言えば呼ばれて参加したという感じなんですが。



アート倉持: 東野祥子さんはプリティ・ヘイト・マシーンの女優兼ダンサーだったんですよね。



SDLX: プリティ・ヘイト・マシーンでは映像を取り入れたパフォーマンスをすでに行っていたんですか?



RKP斉藤: プリティ・ヘイト・マシーンは野外劇で、劇の最初の10分くらいはVJ的な映像が流れるようなものでした。ガッチリ映像がダンサーや役者と絡みをみせるようなものでは無かったのですが、現在の活動に通じる基本的なアイデアはそこで培われた気がします。ちょうど大阪ではダムタイプ等の公演も盛んに行われていた時でもありましたね。東京に来たのがつい3年前なのですが、それまでは10年間大阪に居ましたから(映像スタイルに)ガッツリ大阪の影響はありますね。



アート倉持: 先日僕が東野祥子さんにインタビュ-したときも2000年前後の大阪がすごく盛り上がっていたという話を聞いたのですが、僕の感覚だとそういった経験ってそこに参加していたひとだけが強烈な体験として持っているもので外にいた人って全然知らないんですよね。だから、うらやましくて。



RKP斉藤: その当時僕は観客として体験していましたね。すごい面白かったです。面白い事が続いていくんだろうな〜と思ってました。



ROKAPENIS VJ DEMO001



SDLX: クラブイベントでのVJ活動を始めたのはプリティ・ヘイト・マシーンの映像と平行して行っていたんですか?



RKP斉藤: プリティ・ヘイト・マシーンの映像を卒業してからですね。SHIRO THE GOODMANという人に出会って。難波のロケッツというクラブで「DOOR」というイベントが始まる事になって「VJ」やらないか?って誘われたのが最初です。その頃僕は1年半くらいなにもしてなかったので(笑)



SDLX: ロカペニスさんといえば、切り離して考えられないのが「BABY-Q」での活動だと思うのですが、BABY-Qには最初から関わっているんですよね?



RKP斉藤: 最初から関わっていましたね。2000年に東野祥子さんがプリティ・ヘイト・マシーンから独立してBABY-Qといういうカンパニーを作るという話になって、第一回目の映像はBETALANDが担当したんですが、2回目以降は僕で。クラブでVJのキャリアをスタートさせたのも2000年くらいですね。「rokapenis」という名前もこのくらいから使いだしました。BABY-Qも来年で10年ですから、現在のカンパニーのダンサーも祥子さんの教え子が育ってその子達が踊っていたりしていますしね。初期は音楽やってる人に出てもらったりしてましたから(笑) 振り返ってみると、BABY-Qは祥子さんと女の子3人が中心になって始めたのですが、もう初期からのメンバーは祥子さんと僕くらいですね。



SDLX: 斉藤さんのPVは映像を拝見すると分かるのですが、クオリティがすごく高いですよね。PV制作等を手がけるようになったのはVJ始めた後ですか?



RKP斉藤: PV等を作り出したのは本当に最近の話で。VJも最初はそんなにやる気なかったんですよね。それこそ「ひどい映像ばかりを流す」という事をコンセプトにしたり(笑)



SDLX: 今まで、斉藤さんのお話を伺ってると、勿論現在は違うと思うのですが最初はすごく志を持って映像をやって来たというよりは、流れに飲まれて来た気がしますよね(笑)



RKP斉藤: 基本的に断らないという事がコンセプトなので(隣でアート倉持氏、大きくうなずく )。クイック・ジャパンかなにかのインタビューでスケートシングが、「僕のスタンスは基本的に断らない事です。」と書いてあるのを見てすごく共感しましたね(アート氏、再び大きくうなずく )。でもやはり続いている一番の理由は僕の中ではまわりに「面白い人たちが居た」というのが一番だと思います。



SDLX: でも、そうやって、まわりの面白い人についていくように映像やVJを始めたとしても今のロカペニスは映像から発信していこうとV.I.I.Mプロジェクトを始めたり、映像はクオリティが高いものを制作したりとやっぱり映像に対する気概を感じるのですが「映像をしっかりとやっていこう!」という意識が芽生え始めたのはいつ頃なんですか?



RKP斉藤: SHIRO君(SHIRO THE GOODMAN)が東京に来てROMZってイベントを立ち上げた時にVJの人3〜4組と競演する機会があってみんなちゃんと音楽に合わせてVJしていたんですよね。それを見て、すごく衝撃を受けて。その時から「気合い入れてやんなきゃいけないな」という意識になりましたね。それが2003年くらいなので最近の事ですよね(笑)



夢中夢(むちゅうむ/mutyumu)「眼は神/L'œil est Dieu」/映像 rokapenis



RKP斉藤: これはすごく映画的な事をやりたいなと思って作った作品ですね。ホラー映画のオマージュなんですよね。ほんとは僕、大阪にもう一人、相方がいてその子といつもやりたい事のアイデアを出して行くのですが、そのアイデアのひとつですね。



SDLX: 僕、結構ホラー映画好きなんですよね。ホラー映画って世界観が確立されているから見ていて嵌れるじゃないですか?映像も質感がしっかりしているものが多いように感じて。このPVにしっかり質感がありますよね。



RKP斉藤: 実は僕、大阪時代にCMの編集マンとして6年間くらい働いていて、そこで映像の基本的なスキルはみっちり仕込まれましたね。ベースはスカムカルチャーなんですが、絶対に保たなければいけないクオリティはあるとおもってますね。



アート倉持: いつも思うんですが、斉藤君って基礎は本当にしっかりしてますよね。



RKP斉藤: ちゃんとした映像の人間がVJやっているというのって実は結構珍しいんですよね。VJやってるけど、映像編集の基礎が無い人って結構多いと思います。PV の制作ではかなり大阪のアンダーグラウンドを網羅していますよ。それぞれに繋がりは無くてもROKAPENISを支点にすると繋がっていく感じにはなって来ていると思います。大阪の人たちのPVはもう10〜15本くらいは作ったのでそれをまとめてDVDを出そうと思ってます。そのDVDには昔の話を全部書こうと思ってます(笑) なぜこの人たちと出会う事になったのかとか。



SDLX: 斉藤洋平さん(rokapenis)の映像ってすごく色んな要素があったり、雑多な部分も取り込んでいってて、振り幅が広いものだと思うのですが、自分自身の映像をどのようなものと定義していますか?



RKP斉藤: 僕は、「この人は才能があるな」と自分が感じる人となんか一緒にやるのが好きで。だから気分は応援団みたいなものなんですよね。さっきも言ったように僕は映像の仕事もしてるんですが、VJって「映像」って視点で考えると表現欲が満たしきれない部分があるんですね。でも基本的に僕は好きな人と一緒にやるというのが好きなので表現欲よりその「好きな人」を上手に演出出来れば僕は満たされるんですよね。



アート倉持: 僕は斉藤君の事を、常に「観客」を代表した立場から、映像を使ってベストな状況を生み出そうとするような役割の人って捉えてますね。ちょっと一歩ひいた所から見ていて、現場をより「良い感じ」にする人ですね。



RKP斉藤: 倉持君もそういう役割の人だよね。仕事がそうだからだとも言えるんだけど。特に年上の人に対してとか。僕なんかは同世代の人とやっていかないと、上手くいかない部分もあるんだけど。



アート倉持: スタイリストとかそういう仕事に近いんですよね。ナンバー2とか副官のような役回りですね。だから斉藤君とイベントで一緒になった時はすごく心強いですよ。考えて行動してくれるから兎に角話が早いんです。



RKP斉藤: 現場監督みたいなもんですね。



アート倉持: 自分ゴリ押しで我を通すタイプじゃないんですよ。でも、そういうスタンスの人の方が絶対恐ろしいんです。そこらじゅうに毒を忍ばせてますから(笑)…だから、今回のV.I.I.M projectの背景には、僕はある種の暴挙といっても差し支えのない不穏なムードを感じながらも、それを現場で一人の観客として体験できるってことで、今からゾクゾクするものがあります。「ネコ」対「トラ」、超楽しみにしています。



SDLX: 今回の公演はダンサーはBABY-Qの看板ダンサーの東野祥子さんでは無く、ケンジル・ビエンさんというダンサーがメインで出演なさるという事ですがこれに意図はあるんですか?



RKP斉藤: 今回に関しては自分の映像の世界観をしっかり出して行きたいと考えています。なので、まだ色に染まっていない人に出演してもらう事にしました。DJの人選もそうですね。実際は、祥子さんにも色々と相談のってもらっているのですが。



アート倉持: ずっと思ってたんだけど、やろうとしてる事は「映画」だよね。



RKP斉藤: う〜ん、勿論、映画はルーツではあるんだけど、今回は映画を作りたい訳じゃないんですよね。隙間産業的ではあるんですが(笑



SDLX: 今回の公演も何が起こるのかとても楽しみではあるのですが、今後一緒にやってみたい人っていますか?



RKP斉藤: yudaya Jazzとはなんか一緒にやりたいですね!一回やった事はあるのですが僕のほうがあまりリアルタイムに対応出来なかったので。今度やる時は対応できるようになって望みたいですね。後は同世代を盛り上げて行きたいですね。同世代の仲間達とどこまでやっていけるのか?って事にすごく興味がありますね。



HYPONEXT〜ELECTRONICS〜



SDLX: 今後のV.I.I.M projectはどのようなイベントを予定していますか?次回以降もなにか計画しているものがあれば是非伺いたいのですが?



RKP斉藤: 今後はもっと色々な形を考えています。映像をメインとした「ショーケース」という形は崩さず、VJも沢山呼びたいですね。あくまで映像をメインと考えていて、映像とライブペインティングとか企画したいですね!今回は僕の中の引き出しで「ダンス」の部分を中心に置いているわけですが、10年もやってくると引き出しにも色々溜まってきているので、出して行きたいですね。



アート倉持: 無理してやっている訳ではないですよね。至極当然の流れとしてやっている。もうVJとかDJとかアーティストとかそういう言葉で表現をくくる事が難しくなって来ているというのは現場にいるといつも感じます。



RKP: 僕は、このV.I.I.M projectで自分の作品を沢山発表したいというよりは、今ある業界の相関図とは違う相関図を作っていきたいと考えています。面白いつながりを提示していけたらな良いなと思います。例えば、ニブロールってすごく頑張っているし、ちょうどこの後、(このインタビュー収録時期の後)フランス公演にも行っているし新作もどんどん出しているんですけど、僕の周りの音楽シーンではまだ知らない人が多んですよ。どんどん境界を無くしていくような試みをしていきたいです。だから、普段はクラブに遊びに行っているような人に見てもらいたいですね。遊び方はちょっと違うと思うんですが楽しいと思います。後、劇場の現状で言えば未だにプロジェクターを置いていない劇場って多くて。そういう所にもこういう活動で一石を投じたいと思っていますね。僕はいろんな場所で活動しているので、 V.I.I.M projectを通じて僕みたいにお客さんもいろんな場所と繋がってほしいと思います。



SDLX: 本日はありがとうございました。



斉藤洋平/rokapenis HP
高橋啓祐/Nibroll HP



いかがでしょう?ライブ、ダンスの現場から届けられる新しい映像の試み。是非とも、7/20日(月・祝)7/21日(火)、V.I.I.M projectを体感しにいらして下さい。
(interview & text SuperDeluxe昆野立)



次のイベント

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開場 19:00 / 開演 19:30

チケット 予約2500円 / 当日3000円(ドリンク別)

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