SuperDeluxe


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坪口昌恭(TZB) × 伊藤桂司 interview

2009/01/07

東京ザヴィヌルバッハ、坪口昌恭のリーダー・ユニットとして、アドバイザー役でもある菊地成孔と共に99年1月結成後、現在は三沢泉、numbの新メン バーが加入。昨年末開催されたSuperDeluxe公演では200人以上の集客を誇り、鋭意溢れる活動を続け支持を集める東京ザヴィヌルバッハが 2008年4/2待望のNew Album SWEET METALLICを発表。
アーバンでグルーヴィな洗練されたサウンドの中にあくなき探究 心、遊び心がたっぷり詰め込まれた傑作となっています。そして今回のアルバムのアートワークを担当したのが、2001年度東京ADC賞の受賞を始め各方面 で活動を広げるアートディレクター伊藤桂司。時代の波を捉え、愛知万博の世界公式ポスターも手がけた伊藤桂司によるオリジナリティ溢れる絶妙なアートワー クは、約4年ぶりとなる新生東京ザヴィヌルバッハの世界を鮮やかな形でイメージ化する事に成功しています。
本日は2人に東京ザヴィヌルバッハの新作SWEET METALLICから、5/2SuperDeluxe公演について、はたまた坪口氏の音楽的ルーツにいたるまで、渋谷某所の昼下がりのカフェにて語って頂きました。




SDLX: 坪口さん、東京ザヴィヌルバッハ/SWEET METALLICリリースおめでとうございます!今回のアルバムの聴き所とか込めた思い、制作にあたってどんな作品を目指したのか?教えていただきたいです。
坪 口: まず僕が聴きたい音が並んでいる、つまり食べたい食材が並んでいるアルバムにしたいっていうのが大きくあって。その食材の中にはフレーズとかエレピとか ジャズの要素や、ヴィンテージなリズムマシンの音とかあって。楽曲の構成としては、意外とありそうで、無いものを狙いたいっていうのはありましたね。
SDLX: 打ち込みも普通の4つ打ちでは無く、変拍子だったりしますよね。さっと聴いた感じだとスムーズで聴きやすいけど、じっくり聴くと音楽として凝ったものになってるっていう。
坪 口: 打ち込みなんだけど、変拍子にするっていうのは制作の際の大きなポイントとして一つあって、でも難しく聴かせるんじゃなく、変拍子をグルーヴィに聴かせた いっていう狙いはある。表面的には聴きやすくてwelcomeなアルバムだと思う。でもwelcomeって誘われて来てみると(僕は)宇宙人だからア レ?って思うと思う。(笑)
SDLX: いろんな仕掛けが待っているんですね。
坪口: そう。面白い仕掛けになってると思う。最後には(聴いた人が)ワッハッハ!って満足できるものを目指している。
SDLX: 伊藤さんは聴いてみていかがでした?
伊 藤: 僕が聴いてみて最初に感じたのは、今までにも増して音が凄くゴージャスで滑らかで耳触りが良いという事。一番面白い時期のウェザー・リポートとかハー ビー・ハンコックに共通した宇宙観を持っているし、大好きな音が沢山詰まっているアルバムです。変則的なリズムや音の断片の複雑な絡まり具合も洗練されて いますよね。
SDLX: 伊藤さんのおっしゃったSWEET METALLICに対する印象は、僕が思うにそのまま伊藤さんのデザインの世界観につながるものを感じるのですが?伊藤さんのデザインもゴージャス観はありますよね。
坪口: ゴージャスといってもバブリーな物では無くて、クリエイティビティがゴージャスであって、素材はわざとチープなものを使ったり、、
伊藤: ノイジーなものだったりね!



SDLX: 伊藤さんは前々から東京ザヴィヌルバッハの大ファンだったとうかがった のですが?
伊藤: ザヴィヌルバッハはデビューの頃からずっと聴いてますよ!(坪口さんの) ソロとかトリオも全部持ってるし、たまに僕SuperDeluxeでDJやったりする時も東京ザヴィヌルバッハかけたりしてて、で、ずっと SuperDeluxeで見れたら良いねって!
SDLX: おっしゃってましたよね。
坪口: 早く言ってくださいよ!(笑) 僕も前からSuperDeluxe良いなと思ってて、 やっぱ遠慮してちゃだめですね。
SDLX: SWEET METALLICのジャケットデザインのオファーがあった時はいかがでしたか?
伊藤: 今年の始めにSuperDeluxeのマイクを通じてオファーがあったんだけど、超嬉しくてさ!なんか高校生みたいに電話口で盛りあがっちゃって! 自分の好きなミュージシャンのジャケット出来るなんて、デザイナーとして一番幸せな事ですよ!
坪 口: そう!昨年末の(12/29@SuperDeluxe)ライブの後にマイクさんに伊藤さんを紹介してもらって、その時いただいた作品集を見てて、色々なバ リエーションも出来るし、これはもうバッチリだろうと思って。SWEET METALLICの為に違うデザイナーは紹介されてたんだけど、その人はもう断って(笑)
SDLX: 実際、音楽とジャケットの相性はバッチリですよね!



SDLX: 今回ジャケットのアイデアはどうやって生まれて来たんですか?コラージュとカラフルなキャンディのモチーフが今回のアルバムの内容と絶妙にマッチしていてこの上ないような仕上がりだとだと思いますが、、
伊 藤: 坪口さんからラフミックスを聴かせてもらったり、イメージを伝えてもらった時に話に出たのが、インダストリアル、オートメーション、ファンシー。その後、 菊地成孔さんがタイトルを付けるのと同時進行でジャケットの制作を進めて行ったんですよね。僕、昔から古いスウィーツとかデザートのビジュアルを集めてい るので、それらたくさんの資料を見ている中で、ジャケにあるような工場のオートメーションマシーンとカラフルなドロップの組み合わせがバッチリ決まったん ですよ。実は、最初に浮かんだラフスケッチのアイデアと完成した作品はほとんど変わってないんです。
坪口: 色合いがあるけどミニマル感も伴ってますよね。
伊藤: そうそう、 音に対しての印象が如実に反映していますね。



SDLX: 坪口さんはミュージシャンですし、お二人の活動に音楽は欠かす事の出来ないものだと思うんですね。お二人の音楽遍歴をお尋ねしたいのですが、、
坪 口: 僕はおおまかに言うと、ジャズ、フュージョン育ちですよね。そういっちゃうと あんまり面白くないかな? (笑) 今でもビバップは大好きだし、おさえておきたいと思ってる、で勿論YMOとかも好きで聞いて育ったんだけど、でもあんまりプレイヤーとして機械に頼るって 方には行かなくて、、やっぱり一生懸命汗水たらして弾くってほうに惹かれて。だからやっぱり、YMOは素晴らしい音楽だけど(ミュージシャンとして進む方 向は) YMOじゃなくて、ウェザーリポートが好きで。基本的に僕の音楽はJAZZのスキルが底辺にある音楽、根っこにJAZZがある音楽でありたいと思ってます ね。それはホントに死ぬまで変わらない。
SDLX: 伊藤さんはいかがですか?プログレが好きと聞いた事ありまして。。
伊藤: 音楽を本格的に聴き始めた中学生の頃は、サイモン&ガーファンクル、カーペンターズ、ドノバン、CSN&Y!まあ、そういう時代ですからね(笑) 。ある時TVでEL&PやFOCUSを観てプログレに移行していったんですよね。プログレって色々聴いてみるといろんな種類の音楽がミックスされ ているでしょう?クラシックとかジャズとか民族音楽とか。その年頃は吸収欲が旺盛だから、あらゆる音楽に対して興味が広がって、暇さえあれば中古レコード 屋にいってレコードを漁ってましたね。それでどんどん好きなものも増えてね。高2の頃には、早朝にNHK・FMのバロック音楽番組とか聴いてましたね (笑) 。僕は音楽の理論的な勉強とかは一切していないので、どちらかというと音を空間的、映像的に捉える事が多いんです。で、その頃ジャズ界では、クロスオー ヴァーとかフュー ジョンと言われた音楽がメディアを賑わせていたので、プログレと両方の文脈でウェザー・リポートに出会ったんです。初めて“BADIA”を聴いた時の衝撃 は忘れられないですね。独特の湿度と、むせかえるようなエキゾティズムが強い映像を伴って脳内に果てしなく広がった感じでした。結局、今、こうして絵を描 いているグルーヴもその頃に触れた音楽の強度が関係しているんだと思います。



SDLX: フュージョンもプログレも良い意味で雑多なものじゃないですか? 楽器にしろ音色にしろ色んな要素が入っている音楽だし。お話をうかがう限り、お二人に共通してるなと感じるのはお二人がそういう良い意味で雑多なものに惹かれている所だと感じるのですが?
坪口: 相反するものを必ずぶつけないと気が済まないんです。
伊藤: 僕もまったくその通りですね。
坪 口: 音楽制作でいうと、例えるなら、バンドのメンバーに警察と泥棒がどっちもいる音楽を作りたいんですよね (笑) 両方いないとダメなんです。どっちが良いって話じゃなくて。で、なんちゃってじゃなく、どっちも正統派の警察と泥棒じゃなくちゃダメなんだよね。だから、 ジャズが根っこにありたいって言ってるからには、モダンジャズであるビバップは外したくないし、やれって言われたら出来る準備はしておきたい。それを刀と して例えるなら、ほとんど抜かない感じだけど、磨いておきたいですね。
伊藤: ちょっとこう、鞘から抜こうとすると、ダイアモンドみたいにキラっと光る感じにね。



SDLX: 坪口さんは鉄道少年だったという事で、鉄道が音楽に与えてる影響ってあります?
坪口: 多分、、鉄道ってでっかいリズムマシンだよね!
ガガン!ツカン!ガガン!ツカン!って、アフロのビートだよね。
伊藤: まさに体感するって感じ(笑)
坪口: で、あれが貨物列車だと全然ちがうよね。カンカンカンカンカンカンカンカン!カカン・ダダン・ツカン・ダダン・カンカンカンカン! ってそういうリズムが減速したり、速くなったり で、、そういうのが
(音を聴くと)あ!これは急行!これは特急!これはタメがあるから寝台とか!
SDLX: 音でわかる感じですか?
坪口: そう、そういうのは(福井県の実家の前に)北陸本線が通ってたから(笑) それで、家の前にお寺の境内の鐘突き堂があって、ゴーンって鐘が鳴って、で鉄道が、
ガタンゴトン!ガタンゴトン!
ゴーン!(鐘)
ガタンゴトン!ガタンゴトン!
ゴーン!(鐘)
って、、
伊藤: カッコいい!
坪口: それがま〜音楽のルーツです(笑)
伊藤: それ良い話だな〜(笑)
SDLX: その経験は坪口さんの音楽に影響与えてそうですね!
坪口: いや〜与えまくってますね!〜そんなもんですよ(笑)
一同 (笑)
SDLX:ミニマル音楽の人にはそういう経験がある人結構いるみたいですよ!鉄道は音として好きなんですか?造形美じゃなく?
坪口: 勿論(鉄道の)造形美も好きですよ!



SDLX: 坪口さんに東京ザヴィヌルバッハのメンバーについてお聴きしたいのですが、、まず東京ザヴィヌルバッハを語る上で、菊地成孔さんの存在は欠かせないものだと思うのですが、菊地さんは坪口さんや東京ザヴィヌルバッハにとってどんな存在なんですか?
坪 口: (東京ザヴィヌルバッハの)スタートの段階では彼が最高の理解者で、この音楽を世に出した方が良いって背中押してくれたのが、実は菊地さんで、名誉会長み たいな役割です。最近は彼は自分のプロジェクトもあるし、いちプレイヤーとして参加してもらってる感じです。後、曲名はいつも菊地さんが付けてくれてる。 基本的には今回のアルバムから (東京ザヴィヌルバッハは) 完全に僕のソロプロジェクトになってますね。菊地さんの凄いところは誰にも似ていない自分の音を持っているところで、たいていサックスプレイヤーって誰か に似てるってのが、普通なんだけど、菊地さんはそうじゃなく、菊地成孔のサウンドを持っているっていうのがスゴイ所だと思いますね。
SDLX: 坪口さんは菊地さんとは付き合いも長いでしょうし、実際菊地さんのリーダープロジェクトにはほとんど参加されてますよね?むしろこんなに参加しているのは坪口さんだけともいえますし。
坪 口: (菊地さんとは)好みがすべて一緒ってことは無いんだけど、思い描いている物が近いんだろうね。後、Jazzをなんとかしたいってのは(共通の認識とし て) あると思う。Jazzミュージシャンってのはもっとカッコいいものなんだって事を表現したいって事とか、その辺の価値観が菊地さんとは合ってるんだと思 う。お互いの弱点も良くわかってるってこともあると思います。



SDLX: 三沢泉さんはa8vより、numbさんは今回のアルバムから正式メンバーとして、加入されたと思うのですが、お二人の役割についても教えていただけますか?
坪 口: 泉ちゃんについてはまず、僕が基本的に打ち込み+パーカッションってサウンドが好きだって事と、ラテンのパーカッションみたいに激しいものも出来るんだけ ど、普段は空間を埋め尽くさないプレイを地で出来るとこがメンバーとして活動をともにしている大きな理由の一つだね。空間に彩りを加えるっていうか。だか ら特にディレクションはしてなくて。逆にNumbさんにはかなり注文も多くて。。正式メンバーとして出てもらってるって事の理由には、彼はスゴい柔軟性が あるし、普段テクノでフロアを盛り上げている人だから、こういう人が4つ打ちじゃないジャズのバンドにきて、本来なら合わないし、やりにくいはずの人がど うするか見たいっていうのがあるよね。
SDLX: 化学反応とか摩擦の様なものをみたい?
坪口: そうそう何でもバッチリじゃつまんない!(笑)
SDLX: 化学反応で生まれる面白い事を期待したいって事ですか?
坪口: そう!わざわざめんどくさい事をやってるとも言えるけど(笑)



SDLX: 音楽家、アーティストとして、トップランナーでいらっしゃるお二人から今後、音楽業界、音楽界やアート界に進みたいと思っている若いアーティストになにかアドバイスをいただけませんか?
坪 口: 僕は昨年久しぶりに絵にハマって、ピカソの画集とかみていたら、最初は凄く写実的な絵を書いているんですよね。だから若いうちは基礎をやっておいて欲しい と思う。ピカソは基礎があったからあれだけいろんなアイデアをだして、実際お金も入ってきたし、もちろんそれだけじゃないと思うけど。(基礎が重要ってこ とは)それは音楽でもそうだし、確かに基礎やったために基礎にしばられちゃう人もいるけど、そういう人は基礎やらなくても何かに縛られちゃうと思う。基礎 は重要だと感じますね。勿論勝ち負けじゃないから何が正しいってのは無いけど。
SDLX: 伊藤さんはいかがですか?
伊藤: 僕がいつも若い人達に言ってるのは、インプットの重要性ですね。つまり、どれだけ感動したかっていう事。勿論、知識も大切ですし、坪口さんが仰ってたみた いに基礎も身につけるべき。実際の制作、例えば音楽や絵のインプロヴィゼーションとか、アイデアが閃くまさにその時の瞬発力は、内的な情報量によってもた らされるわけですね。直感的ではあるけれどインプットされた情報が作用している。感覚と知識と技術が三位一体となった瞬間的な編集作業だと思うんです。ま あそれに単純にいえば、(時には、嫉妬も強い推進力になりますが)感動すると何か強烈に創りたくなるわけで。
坪口: 音楽にしろ、アートにしろ、アーティストが一番最初にしなきゃいけないことはそれですね!



SDLX: 最後に5/2にSuperDeluxeにて開催するSWEET METALLICリリースライブ、意気込みや見所を教えてください。
坪口: まだ新しいザヴィヌルバッハになって3回目ですからね!次のライブでどこを変えるとかじゃなくて、まだベストなものがライブで出来たことは無いと思っているので、
1回目、2回目、3度めの正直じゃないけど(笑) そこを目指してベストを尽くして行きたいと思います。
SDLX: 本日はありがとうございました!ライブ楽しみにしています!



今 回のインタビューは渋谷某所のカフェにて終止なごやかな空気の中進められました。坪口さん伊藤さん共に、大学教授のお仕事もさなさっている為、受け答えが 明確でインタビュアーの僕の質問にも的確かつ豊穣な教養を感じさせる受け答えで快く対応してくれました。大人な二人のクールで熱く、時に少年のような音楽 / アートへの愛情が今後も東京のシーンを引っ張って行ってくれると思うと大変心強い限りです。そして坪口さん、伊藤さんのクリエイティビティの一端を担って いるであろう、良い意味で雑多で、相反するものをぶつけ、摩擦や化学変化を表現に取り込むという実験精神あふれる制作スタイルに触れる事が出来たのも今回 のインタビューにおける収穫だったのではないかと思います。今後も多彩な活動で僕らを魅了してくれるであろう2人のコラボレーションが実現した東京ザヴィ ヌルバッハ/SWEET METALLIC是非ご注目下さい。そして、東京ザヴィヌルバッハの世界を真近で体感出来るSuperDeluxe公演!こちらも是非ともお見逃しなく! (interview & text SuperDeluxe 昆野立)



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2008 4/17 up



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