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12/17(火)SOUNDROOM登場!「三好史 a.k.a いぬ/平成25年のうた」インタビュー!

2013/12/09

INU: 「僕はアーティストとしてのこだわりとかポリシーが全然ないんですよ。インタビューしていただいても話にならないんじゃないかと思ってます」
三好史 a.k.a いぬのインタビューは冒頭からこんな一言で幕をあけました。
いやいや、そんな事はないですよ!「いぬさん!」と言ったところで、「さん」はいいよー、「いぬ」でいいよー。と「いぬ」フォロワーにはおなじみのフレーズ。
と、いうわけで誠に僭越ながら今回のインタビューではあえて「いぬ」と呼ばせていただきました。場所は都内某所「三好史 a.k.aいぬ」の「オフィス」と本人が呼ぶマクドナルドにて。その膨大なアニメ・クラブ・ミックス(crabMixx)のアーカイブと自由過ぎる活動でなにかとつかみ所の無い「三好史 a.k.a いぬ」をDJ、作曲の視点からその活動を追う事によって「三好史/いぬ」を読み解くこころみを行ないました。というか是非この面白いDJの事を皆さんに知ってもらいたいと言うのが本音の今回のインタビュー。
2013年12月18日に「三好史 a.k.a いぬ/平成25年のうた」をリリースする(リリースライブはSDLXにて12月17日!発売前日☆)SOUNDROOMレーベルの鈴木康文さんにもご同席いただきお話を伺いました。ぜひとも不思議な「いぬ」の世界にどうぞお供下さい。

SDLX: まず、なんで「いぬ」って名前なんですか?
INU: インターネットが出始めの頃、チャットとかする際にハンドルネームをつけることになって、その頃、丁度、Appleのサイバー・ドックというソフトが好きでハンドルネームで「いぬ」という名前をつけたらすごくウケたんですよ。それ以来ですね。だから「ウケたから」というのが正しい答えです。96年ぐらいですね。
SDLX: なるほどそうだったんですね。ではまず音楽との出会いを聞かせて下さい。最初は作曲からスタートしたんですよね? なぜDJを始める事に?
INU: YMOの細野晴臣さんの音が好きで最初はクラシック・ギターを始めて、その後 シンセサイザーなどの電子楽器を触るようになりました。独学でのスタートですね。テープに録ったりするような作曲から考えると始めたのは12才ぐらいからですかね。DJは札幌のススキノで中学生くらいからディスコで遊んでいて、16才くらいの頃、ニューロマンティックと呼んでいたニューウェーブのレコードをかけてほしいので、DJブースに何枚も持っていていたら「じゃあ お前やれ」という話になり、その時からDJとしての活動はスタートしました。
SDLX: 札幌出身の三好さんが東京に来たのはいつですか?
INU: 高校を卒業してからですね。その頃の音楽のジャンルはディスコで、時代的には80年代中期でしょうか? 僕はラテン・フリースタイルというジャンルが好きで、東京に来たのは「DJやれるところあればいいな」と思って上京しました。その後、渋谷のパラディアムと言う箱にDJとして就職しました(笑)86年に「JG's」というグループに参加して、4人構成のグループで表に出てるのはDJ HONDA、DJ KOO (TRF) と後ひとりいて、僕はたまに一緒にTVに出たりもしていましたが、すこし影の存在として居ましたね。実際作ってるのは僕だったのですが(笑)JG'sをやってる最中も夜は毎晩ディスコでDJしていましたから、空いた時間はずっと制作してました。僕はまだ19歳くらいでしたから本当に怒涛の日々でしたね。その後「JG's」は4年ぐらいやってました。主なEDITはオープンリールの切り貼りや、後はサンプラーとしてAKAIのS900なんかを使って、JG'sの活動以降も今日に至るまでリミックス・ワークのようなEDITは公私ともにずっとやってますね。
EDIT:日本語でいうと編集。人の曲や音を数秒単位で切り刻み、編集しなおして新しい音に生まれ変わらせるような作業の総称。

SDLX: 80年代から今に至るまでリミックスカルチャーは常に全盛ですからね。その時代のド真ん中に「いぬ」もいるんですね。「いぬ」って今やアキバ系DJを代表する一人だったりするじゃないですか? クラブシーンや作曲ワークからスタートしてアニメDJもこなすようになった明確な転換点はなにかあったんですか?
INU: 若い人が昔のレコードを掘る事で見つけてくれたというのがあると思います。平行してdameMixxを聞いてくれていて「あ! これ同じ人だ!」と見つけてくれて、イベントに誘ってくれてそこからアニメをかけるDJとしてのキャリアがスタートしたんだと思います。
*(掘る)とは例えば中古レコード屋等で珍しいレコードを探す事。レコード/音源を漁る事の総称。
dameMixx:いぬがWEB上で発表してるアニメ音楽を使ったEDIT/リミックス楽曲/DJミックスのシリーズ。
SOUNDROOM鈴木:僕の知っている感じだとgalaxxxy(アパレル・ブランド)の露骨キットがEDITものを色々と掘ってて、その流れてラテン・フリースタイルにも触れて、安いし、カッコいいしって事で注目していましたよ。dameMixxはククナッケさんがネットで注目してて、それで「JG'sの人と一緒じゃん」という話になり、galaxxxyのイベントに呼ばれるようになり、そこからアニメと現場という流れが加速した気がしてますね。galaxxxyは「いぬ」を語る上での重要なキーワードになってると思います。そこからそういった活動の影響もいろいろなところに波及していった気がしています。今から5年ぐらい前ですね。
INU: 結構アニメのサウンドもクラブで流れるようになったりし出しましたよね。

SDLX:  dameMixxって今一つのブランドになっていると思うのですが、そもそもなんで何でdameMixxを作り始めたのですか?
INU: 元々MASTER MIXを作るのが好きで、それでアニメの音だけで作ったものがdameMixxなんですよ。特にミックス・テープ等を作ったりはせず、始めて発表したのもWEB上なんですが、ファイル共有サービスにアップして発表していましたね。ニコニコ動画の前からですね(笑)僕の中ではEDITも作曲の感覚でやってます。
MASTER MIX 音楽のオリジナルバージョンに対してのリミックス的なものだが、例えばアルバムの中にある曲や音の断片を一曲にまとめたして作り上げたリミックス曲。
SDLX: ネットでの発表はいち早くやっていたんですね。「いぬ」はsoundcloudに沢山のアニメ曲のクラブ・ミックス(crabMixx)をアップしていたりして「アニメ」は切り離せないものだと思うのですが、いつぐらいから見てるんですか?
INU: 「JG's」での活動が終わった後ぐらいからですね。91年とか92年。最初は「セーラームーン」にハマったんですよ。逆にそれまではまったく見てなかったので「セーラームーン」以前は知らないんですよ。「セーラームーン」の好きなところは一言ではとても説明できないですね。絵、音楽に始まって、全ての要素が可愛らしく素晴らしかったです。僕、漫画は全然見ないんですよ。アニメだけです。現在では放送が始まったアニメはひととおりすべて録画してチェックしています。さすがに全てを全話見る事は出来ないので、気に入ったもの意外で見てるのは4話くらいまでですね。最終的にEDITしてsoundcloudにアップしてるものは自分が気にいったアニメだけなんですよ。

SDLX: EDITにしろ創作の数は膨大ですよね。
INU: 全部じゃないけど最近の自分でEDITしたクラブ・ミックス(crabMixx)ものだけでiTunesに保管してある曲は600曲を超えています。出演するイベントのテーマに合わせて作ったりしています。それこそアーカイブはどんどん増えています。基本的に僕のスタイルは自分が使いやすいように作ってるだけですけど、クラブ・ミックス(crabMixx)はULTIMIXというスタイルでDJが使いやすいようにするだけで、原曲の形は変えていません。
ULTIMIX:原曲のヴォ―カルを切り刻んでまったく新しい音楽に変えたりするようなものでは無く、原曲のピッチ、キーを変えず低音部分を強調したりする程度で原曲を最大限に生かしたリミックス。原曲の形を残したままDJがプレイしやすいようにするのが最大の目的。
SDLX: 今のひとつひとつのパーティを大事にしてパーティー用にEDITしたりするっていうことは昔ながらのDJとしてのルーツの部分も持ちつつも時代とともに変化し続けてる気がしますよね。そういった下ごしらえをしっかり行なう辺りに「いぬ」の活動のポリシーが見え隠れしていますよね。「JG's」をやめてからdameMixxを発表するまで10年以上ありますよね?その期間は何をしていたんですか?
INU: EDITも作曲も、もちろんDJもやっていましたよ。スコアはその10年間の間にすごく書いたと思います。純作曲ですね。その頃の自分のDJプレイを振り返ると新しい曲はあまり知らなかったので80年代の曲をかけ続けていましたね。
SDLX: DJでアニメの曲をかけ出したのは自分の中では自然な形なんですか?
INU: 心情的にはすごく自然なことなのですが、最初はディスコ時代のトラウマでなかなかかけられなかったですね。ディスコってまず日本語の曲かけちゃいけないんですよ(笑)変わった曲も上手なDJはうまく流れの中でプレイしていましたが、僕は上手じゃなかったのでなかなか思うようにプレイに反映出来ませんでした。お客さんがフロアから散っちゃうとDJブースに備え付けのインターホンが鳴って「踊らせろ!」という指令が飛んでくるんですよ(笑)あのインターホンはトラウマになりますよ。
SDLX : それが今や放送中や放送が始まったばっかりのアニメの曲を即、現場にフィードバックしてますよね。
INU: アニメが面白すぎて、感動してすぐ作っちゃうんですよ。そしてそれをすぐ現場でプレーしたいんですよ!ちなみにキルラキルは関東で第一話が放送される前にクラブ・ミックスを発表しました。関西では放送が1日早いんですよ。作業時間は1日ぐらいでしたが、東京の放送の前にアップすることができましたね(笑)キルラキルop/シリウス (crabMixx)

「いぬ」によるdameMixx、crabMixxは こちら をチェック!
SOUNDROOM鈴木:いぬはサービス精神がとても旺盛でアーティストが遊びに来てくれるとその人の曲をかけたりするんですよ。
SDLX:  「いぬ」が昔からやってるもうひとつのプロジェクトnonSectRadicals(ノンセクトラディカルズ)はどんなプロジェクトなんですか?
INU: これは相方のマチャール(田村雅章)がやりたい事を一緒にやってるプロジェクトですね。もちろん楽しいです。

左から伊福部昭 - ラウダ・コンチェルタータ / Omar Santana (Maria Venchura) - My Heart Hold The Key / 細野晴臣 (YMO) - MASS / HoneyBee - プラスチックスマイル/Canvas2 / hanali - Rock Music

SDLX: そんなDJであり、作曲家でありリミキサーの「いぬ」が「三好史」名義を使って発表したSOUNDROOMレーベルからリリースされる「平成25年のうた」は純日本音楽的というか「和」のテイストを凄く強く感じました。
INU: 意識したわけではないんですけどね。もちろんダンスミュージックも好きなんですが、当初から「平成25年のうた」はリミックス盤も作る予定だったので、ダンスミュージックの要素はリミックス盤に入れればいいかな?と思ってました。僕はコンピレーションだと思って作ってますね。iTunesで検索する時もボーカリストがアーティスト名になっていて僕は作曲者として登録されています。
SDLX: 「平成25年のうた」はdameMixxや クラブ・ミックス(crabMixx)聞いた後とだとすごく意外に感じますよね。
SOUNDROOM 鈴木:「いぬ」は現場に求められるものをしっかり出していくタイプだから今回みたいな和風なサウンドを生み出す部分とかは普段あまり見えないのかもしれないですね。現場で隠していたわけではないけど発表する場があまりなかったんですよ。
INU: そうなんですよ。こういう路線はこれからちょっとずつ発表していこうと思っています。本当はもっと自由にこういう表現をDJプレイに反映させていきたいとは思ってます。その為にいろいろと新しいEDITを作っていろんな現場で試してみる下準備はいつも行なってるんですよ。アニメのパーティでゴルジェをかけるタイミングを狙ってたりしてます(笑)
SDLX: 最初、こだわりがないと言ってましたが様々な現場でDJするそのつど、EDITして 自分のプレイするトラックとして用意するあたりはすごくこだわりを感じますね。作曲家としてのキャリアともすごくリンクすると思います。12月17日 火曜日のSOUNDROOMでのライブはどんなものになりそうですか?
INU: その場でミックスもバランスをとりながらCDとは違うアレンジで望もうと思ってます。
SDLX: 最後になりますが、「いぬ」にとって「三好史」という名義はどういう位置づけなんですか?
INU: 音響よりも楽譜で勝負するというような名義ですね。十才の頃からクラシックギターをはじめてから今までやっていて最もルーツに近い表現なのかもしれません。僕の中ではド直球な表現です。ルーツ・オブ・ルーツとも言えます。
SDLX: ますます12月17日 火曜日のSOUNDROOMが楽しみですね。よろしくお願いします!

いかがでしたか?「いぬ」のこだわりはまず、アニメで見てみても「感動する→エディット→現場でプレイ」と自分が好きなアニメから受け取った感動をスピード感をもって「現場」に落とし込んでお客さんに提供してていて、逆説的な言い方ですが「音の形に自分のこだわりを反映するのではなく、音に対して柔軟に変化する」というこだわりがすごく感じられました。ULTIMIXの原曲の形は変えないこだわりも「DJ」として「曲がもつ個性」をなにより大切に考えていて、それは「素材本来」のうまみや鮮度を大切に自らのこだわりや偏見を捨てて挑む腕の立つ料理家の印象に近いのではないでしょうか。「DJ」「作曲家」「リミキサー」呼び名は色々とありますが。「音楽を表現する人、もしく音楽を届ける人」という視点で見たときすごく「誠実」な存在だと思います。
そんな「いぬ」がルーツ・オブ・ルーツと呼ぶ「三好史 - 平成25年のうた」12月17日のSOUNDROOM Vol.86「平成25年のうた・リリース・ライブでは「いぬ」を知ってた人も「三好史」から入った人も今までまったく知らなかった人も新しい表現に触れるまたとないチャンスになる一夜になるかもしれません。どうぞお楽しみに★


12月17日 火曜日
SOUNDROOM Vol.86
vol.86: 平成25年のうたリリース記念

Live: 三好史 feat. たなかあすか
鈴木海咲、AKKO
ククナッケ
DJ: いぬ、37A
*「平成25年のうた」特典付き販売あり☆
ご予約はこちらから!www.sdlx.jp/2013/12/17


「平成25年のうた」三好史
平成25年12月18日発売
SOUNDROOM.JP SRJP-0001

価格:2000円+消費税
1.序曲平成25年/Lily Sebastian Mackenlow
2.刻切の音楽/恋汐りんご
3.物理学者の恋の表現/たなかあすか
4.おやすみバイバイ/恋汐りんご
5.秋の薔薇/AKKO(海田暁子)
6.寒梅の/AKKO(海田暁子)
7.アンゴラトンカカ/鈴木海咲
8.音威子府の精霊/たなかあすか
9.それゆけ!ボーカルジャー!/鈴木海咲
10.忘却のボレロ/Lily Sebastian Mackenlow
平成25年のうた/詳細特設サイト

三好史 / いぬ
1967年8月4日生まれ、北海道出身。独学で作曲、管弦楽法を学ぶ。16歳で、ディスコのDJ勤務を始める。1986年、リミックスグループ「THE JG's」に参加。TRFのDJ KOOや、dj hondaと一緒に多くのリミックスを作る。アニメ「エイトマンアフター」のサウンドトラックの作曲などのかたわら、國學院大学のために、マンドリンオーケストラのための幻想曲 大八洲などを作曲。萌え曲のマスターミックス「dameMixx」シリーズも、人気作品となっている。刻切楽隊「nonSectRadicals」でも、22年間刻み続けている。
HOMEPAGE
必見!自分のプロジェクトで作った曲/アルバム ベスト5
三好史 - 平成25年のうた
三好史 - マンドリンオーケストラのための幻想曲 大八洲
nonSectRadicals - 人災311
dameMixx - わんわんみくす
SoundCloudにおいてある最新作
レギュラー:
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